Turbo Cancer、ロイター ファクトチェック
Turbo Cancer先日も書きましたが、情報の正確性や妥当性を検証する行為をファクトチェック(真偽検証)と言います。国際ニュース通信社ロイターでも「Reuters Fact Check」という活動をしています。そこで、No evidence COVID-19 vaccines cause ‘turbo cancer’というウェブページがありました。タイトルが示すように、新型コロナウイルスワクチンがターボ癌を引き起こすという証拠はありません。これは、Dr. Charles Hoffeが流した噂にすぎません。
Reuters Fact Checkでは以下の5人の専門家に相談しています。免疫学専門家、癌専門誌の編集長、大学教授、放射線科専門医会の医長など錚々たるメンバーです。これら5人の専門家は、上記の噂を支持していません。
(1) Dr. Gigi Gronvall, immunology expert and senior scholar at the Johns Hopkins Center for Health Security
(2) Justin Stebbing, editor-in-chief of Nature's cancer journal, Oncogene, and visiting professor of cancer medicine and oncology at Imperial College London
(3) Professor Neil Mabbott, personal chair in immunopathology at the University of Edinburgh
(4) Dr Nicky Thorp, Medical director of the Royal College of Radiologists
(5) spokesperson for The Vaccine Knowledge Project
特に、Dr. Gigi Gronvallは「the narrative is completely made up and none of it is true.」と書いています。私が和訳するなら「その話は完全にでっち上げで、何一つ真実ではありません」。
American Psychological Association(アメリカ心理学会)のウェブサイトに、「Episode 124 - Why people believe in conspiracy theories, with Karen Douglas, PhD」というポッドキャストとそのスクリプトがありました。陰謀論を信じる人には3つの動機があるそうです。
epistemic, existential and social motivesとは、(1)知りたい、(2)安心感を得たい、(3)自分は特別な存在だと思いたいという欲求だそうです。このような欲求は、大なり小なり誰でも持っています。ただし、知りたい欲求を満たすために怪しげな情報に飛びつくか、信頼できるファクトチェックサイトを読むかの違いでしょう。
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